Google Workspaceアカウントを発行されたら最初にやること
「会社からGoogleのアカウントを発行されたので、これでログインしてください」──そう言われて、何から手をつければいいか戸惑っていませんか? 私はGoogle Workspaceの導入支援をする中で、新しくアカウントを受け取った方への案内を何度もしてきました。この記事はそのとき実際に案内している内容を、初日にこの1記事だけ読めば大丈夫という形にまとめたものです。
特に最初の「Chromeプロファイルの分離」は、後から直すのが大変なのに最初なら5分で終わる、いちばん大事な設定です。ここだけは飛ばさず読んでください。
この記事の内容
まずGoogle Chromeを用意する
Google Workspaceは、WebブラウザさえあればGmailもドライブも使えます。EdgeやSafariでも動きます。それでも私が必ずGoogle Chromeをインストールしてもらうのには理由があります。
- Google Workspaceの全機能が使える──オフラインでのドキュメント編集やデスクトップ通知など、一部の機能はChrome前提で作られています
- 次の章で説明する「プロファイル分離」ができる──実はこれが最大の理由です
- 会社のPCでも自宅のPCでも同じ環境になる──ブックマークや設定が同期されます
STEP1:Chromeのインストール
- google.com/chrome にアクセスする
- 「Chromeをダウンロード」をクリックしてインストールする
- すでにインストール済みの方はこのSTEPは飛ばしてOKです
最重要:Chromeプロファイルで仕事とプライベートを分ける
そもそも「プロファイル」とは?
Chromeのプロファイルとは、簡単に言うと「ブラウザの中に作れる、独立した自分専用の部屋」のことです。部屋ごとに次のものがすべて別々に保存されます。
- ログインしているGoogleアカウント
- ブックマーク・閲覧履歴
- 保存したパスワード
- 開いているタブやウィンドウ
たとえば「仕事用の部屋」と「プライベートの部屋」を作っておけば、仕事の部屋には会社のGmailやドライブだけが、プライベートの部屋には個人の買い物履歴やSNSだけが置かれる、というイメージです。部屋の行き来はワンクリックでできますが、中身が混ざることはありません。
なぜ分けないと危ないのか
1つのプロファイルの中で個人アカウントと会社アカウントを「切り替えて」使うこともできるのですが、私はこの使い方で起きたトラブルの相談を何度も受けてきました。
実際によくある事故
- 会社の資料を個人のマイドライブに保存してしまい、後から見つからなくなる
- 個人のGmailから取引先にメールを送ってしまう
- 個人アカウントのままスプレッドシートを開いて「権限がありません」と表示され、アクセス申請を会社に送ってしまう
プロファイルごと分けてしまえば、この種の事故は構造的に起きません。「仕事の部屋にいる間は、会社のアカウントしか存在しない」からです。
仕事用プロファイルを作る手順
STEP2:仕事用プロファイルの作成(5分)
- Chrome右上のプロフィールアイコン(人型または自分のアイコン)をクリック
- 「他のプロフィール」の「+ 追加」をクリック
- 「ログイン」を選び、会社から発行されたメールアドレスとパスワードを入力
- 初回ログイン時にパスワードの変更を求められたら、新しいパスワードを設定
- 「同期を有効にしますか?」と表示されたら「有効にする」を選択
同期を有効にすると、会社のPC・自宅のPC・スマホのどこからでも同じブックマークと設定が使えます。プロファイルの名前を「仕事」、テーマカラーを目立つ色に変えておくと、どちらの部屋にいるか一目でわかって取り違えがなくなります。
これで初期設定は完了です。以後、仕事のことはすべて仕事用プロファイルのウィンドウで行う──これだけ守れば大丈夫です。ここからは日常業務で使う4つのツールを、最初に覚えるべきポイントに絞って紹介します。
Gmail:最初に覚えるのは「アーカイブ」だけでいい
仕事用プロファイルで Gmail を開くと、会社のメールが届いています。Gmailには便利な機能がたくさんありますが、初日に覚えてほしいのは1つだけ。「対応が終わったメールはアーカイブする」という習慣です。
- 受信トレイ = これから対応する仕事の机の上
- アーカイブ = 対応が終わった書類の保管庫(削除ではありません)
メールを開いて上部の箱に下矢印のアイコンをクリックするだけです。アーカイブしたメールは「すべてのメール」からいつでも検索できます。受信トレイに「未対応のものだけ」が残る状態を保つと、対応漏れがなくなり、毎朝メールを開くのが嫌でなくなります。
メルマガや通知メールの自動振り分け(フィルタ)、ショートカットキー、スヌーズなどの時短術は、慣れてきてからで十分です。詳しくは記事末尾の関連記事にまとめています。
ドライブとカレンダー:保存場所と予定共有の基本
Googleドライブ:保存場所は2種類ある
Googleドライブ はファイルの保存場所ですが、最初に知っておくべきなのは「マイドライブ」と「共有ドライブ」の違いです。
- マイドライブ──あなた個人の置き場。下書きやメモ用。ファイルの持ち主はあなたなので、あなたが退職するとファイルも消えます
- 共有ドライブ──チームの置き場。ファイルの持ち主は組織。誰が退職しても残ります
仕事のファイルは原則として共有ドライブへ。「とりあえずマイドライブに保存して、あとで移そう」が、ファイル行方不明事件のいちばんの原因です。保存するとき左メニューの「共有ドライブ」から該当フォルダを選ぶ癖をつけましょう。どの共有ドライブを使うかは、チームの先輩や管理者に最初に確認しておくとスムーズです。
Googleカレンダー:自分の予定を入れるだけで貢献になる
Googleカレンダー の面白いところは、自分の予定を入れること自体がチームへの貢献になる点です。Google Workspaceでは同僚同士でお互いの空き時間が見えるため、あなたが予定をきちんと入れておけば、「この時間空いてますか?」という確認のやり取りなしに会議が設定されてきます。
最初にやっておくこと
- 定例の予定(朝会・通院・送り迎えなど業務をブロックしたい時間)を登録する
- 会議の予定を作るときは「ゲストを追加」で相手のメールアドレスを入れる──相手のカレンダーにも自動で予定が入ります
- 「Google Meetのビデオ会議を追加」を押せば、オンライン会議のURLも自動発行されます
Gemini:困ったときのAIアシスタント
会社のプランによっては、AIアシスタントのGeminiが使えるようになっています。仕事用プロファイルで gemini.google.com を開いてみてください。チャット画面が表示されれば利用できます。
「AIに何を聞けばいいかわからない」という方は、まず次の3つの場面で使ってみるのがおすすめです。
- メールの下書き──「取引先に納期延期をお願いする丁寧なメールを書いて」と頼むと、たたき台が数秒で出てきます。ゼロから書くより圧倒的に楽です
- 長い文章の要約──議事録や資料を貼り付けて「3行で要約して」
- 用語の質問──社内で飛び交う「サブスク」「リスケ」「ナレッジ」のような用語も、人に聞きにくければGeminiに聞けます
Workspace経由のGeminiは、入力内容がAIの学習に使われない設計になっており、個人向けの無料AIサービスより安心して業務利用できます。ただし会社ごとのAI利用ルールがあればそちらが優先です。GmailやドキュメントからGeminiを直接呼び出す使い方や、業務特化のカスタムAI(Gem)の作り方は関連記事で紹介しています。
まとめ:初日にやることチェックリスト
- ✅ Google Chromeをインストールする
- ✅ 仕事用のChromeプロファイルを作り、会社のアカウントでログイン・同期を有効にする
- ✅ Gmailを開き、「終わったメールはアーカイブ」の習慣を始める
- ✅ チームで使う共有ドライブの場所を先輩・管理者に確認する
- ✅ カレンダーに自分の定例予定を登録する
- ✅ Geminiを開いて、メールの下書きを1回頼んでみる
すべてやっても30分かかりません。社内に新しいメンバーを迎える側の方は、この記事のURLをそのまま案内資料として使っていただいても大丈夫です。より画面イメージの多い資料としては、はじめての方向けガイド(図解マニュアル版)もご用意しています。
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